大学に配分する研究資金の原資となる10兆円ファンドの制度設計を主導した上山隆大氏が、日本の科学技術力向上のための「最後のチャンス」になると語った理由とは。
――トップ層の国立大学が目指していかなければいけない「世界と伍する研究大学(世界に冠たる高等教育機関と肩を並べる大学)」の条件とは何だと考えますか。
まず第一に、研究力だ。具体的に言うならば、その大学に属している研究者のアカデミアに対する貢献。それは論文の量や、(他の論文への引用数が)トップ10%やトップ1%に入る注目論文が多いことだ。
それから、国際的であるということだ。世界に伍する研究大学は、完全にグローバルな環境の中でやっている。英語で研究論文を書いているので、英語がキャンパスの中でスタンダードになっていなければ、世界に伍する研究大学とは言えない。
また、世界のトップランクの研究大学の多くは大学院が中心だ。日本の大学は、東京大学であれ、それ以外の大学も含めて、偏差値でランキングが決まっている。その偏差値は学部に入る際の水準で測っているもの。それを研究大学に当てはめるのは間違っている。
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