「手肌に優しい」を女性が支持 寒い冬場に伸びる食器用洗剤
毎日の家事の中で食器洗いは欠かせない。でも、洗剤の刺激による手荒れが気になる--。そんな悩み多き女性の問題を解決してくれる食器用洗剤がじわりと人気を集めている。
花王が1年前に発売した「キュキュット ハンドビューティ」がそれだ。
従来から手に優しい洗剤はあったが、汚れ落ちが悪い。一方で洗浄力が強い成分を増やすと、手が荒れやすくなるなど、洗剤の課題は多かった。加えて冬場は乾燥しているうえ、お湯で洗えば、汚れと一緒に手の脂分まで落ちてしまう。
そこで花王が製品開発に活用したのがスキンケア研究で培ったノウハウだ。洗剤の皮膚への浸透を抑えて手荒れを予防する成分と、汚れを細かく分解して洗い落とす成分の配合比率を調整。手肌への影響を確認するため、皮膚科医と連携して主婦に使用調査を行うなど、試行錯誤は4年に及んだ。
その甲斐もあり、価格は既存製品より3割高い250円前後だが、好調に推移。花王に続いて、P&Gやライオンなど競合各社も相次いで「手肌に優しい」洗剤を投入したことで、いまや洗剤市場の1割を占めるまでに成長した。この結果、デフレで苦しめられていた市場は、2010年10~12月期に前期比3%増まで巻き戻した。寒い冬の熱い戦いはまだまだ続きそうだ。
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(島田知穂 =週刊東洋経済2011年1月29日号)
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