過去最高の制裁金、ホンダの不名誉な記録

米運輸当局がかつてない厳しい措置

報告義務を怠っていたのは「早期警戒報告制度」と呼ばれるもので、当局が車の不具合や欠陥の情報を把握し、早期のリコールなどに役立てることが目的だ。この制度に基づき、自動車メーカーなどは、死傷事故や損害賠償請求などの情報を3か月ごとにNHTSAに報告することが法律で義務付けられている。

ところがホンダは、2003年7月から2014年6月までの約11年間にわたって、報告すべき2873件のうち、約6割にあたる1729件の報告を怠っていた。この原因について同社は、事故データの入力漏れやコンピュータのプログラムミス、報告範囲をめぐる法律についての誤解があったとしている。

途中の対応にもまずさがあった。ホンダは2011年に報告漏れを把握していたが、その時点ではアクションを起こさなかった。2012年1月にはNHTSAから指摘を受けものの、第三者機関による外部監査を開始したのは2014年9月と対応は後手に回った。

 議会や消費者団体からも批判

米上院・商業科学委員会のロックフェラー委員長は「ホンダがNHTSAに対して安全にかかわる重要な情報の報告を怠っていたことは受け入れがたい。制裁金の法定上限を引き上げなければならない」と厳しい姿勢で臨む考えを示すなど、一連の報告の遅れは米議会や消費者団体から批判を浴びた。

北米ホンダのリック・ショステック上級副社長は、問題発覚後、「弁解する余地はない」と非を完全に認めていた。今回、制裁金の支払いが合意したことを受け、「今後もNHTSAに全面的に協力し、透明性の向上と報告実務の強化を図る」とコメントした。今後は再発防止に向け、人員配置の変更や監視体制を強化する方針だ。

もっとも、これで視界が晴れたとも言い切れない。ホンダは2014年3月期の世界販売台数432万台のうち、約4割を米国を中心とする北米地域で売り上げており、まぎれもない最重要市場だ。過去最高の制裁金を課されたことに伴う米国でのイメージ悪化は、販売面にもマイナスの影響が及ぶ可能性もある。

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