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EU政治にリーダー不在の懸念
── 独新政権、仏大統領選に注目の2022年
2022年の欧州政治は、ドイツで3党連立の新政権が事実上スタートすることと、4月のフランス大統領選挙が注目される。本リポートは、独仏の新政権と、EU(欧州連合)への影響を考察する。
ドイツでは、16年の長期にわたったメルケル前政権の時代に、財政赤字をファイナンスする国債発行を名目GDP(国内総生産)比0.35%に限定した「債務ブレーキ」と、財政収支を黒字または少なくともゼロ均衡とする「黒のゼロ」のルールを導入して緊縮財政を敷いてきた。SPD(社会民主党)、緑の党、FDP(自由民主党)の3党は、黒のゼロを廃止し、債務ブレーキを維持する穏健路線で合意。一方、環境政策では積極投資方針が示され、ちぐはぐさが目立つ。仏大統領選は、前回と同じ右翼との対決構図になれば現職のマクロン大統領が優勢とみる。
EUは、コロナ対応で加盟国の債務が膨らみ、今年は、財政赤字・公的債務残高を抑制する財政ルール見直しや、気候変動対応のための気候ファンド創設が政治テーマになる。しかし、メルケル氏勇退で、EUを実質的に牽引してきた独仏のリーダーシップが期待できなくなれば、議論の停滞が懸念される。
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