コロナ禍が一服し、ようやく曙光が見えてきた航空業界。国内2強のANAとJALの争いも一層熾烈なものになりそうだ。
低空飛行が続いた航空業界に、ようやく上昇気流が吹き始めた。
国内航空2強の全日本空輸と日本航空(JAL)は12月17日、年末年始(12月25日~2022年1月4日)の予約動向を発表した。国内線の予約数は全日空が108万人(コロナ前の2019年比71%)、JALも97万人(同84%)と、コロナ前に近い水準まで需要が戻ってきた。
旅行客のマインドが急回復
国内のコロナ感染が落ち着き、緊急事態宣言などで落ち込んだ旅行マインドは急速に回復している。JALの赤坂祐二社長は12月の定例会見で「第3四半期(2021年10~12月)の国内線はほぼ想定通りで、(GoToトラベル開始を待つ利用控えなどにより)若干想定より下回るくらいのイメージ。ただ、着実に需要は伸びている。(新型コロナの変異ウイルスである)オミクロン株の影響も国内はまったくない」と説明した。
実際、JALは11月に月次のキャッシュバーン(現金流出)を解消。2020年1~3月期に赤字転落していたEBIT(利払い前・税引き前損益)は、2022年3月にかけて月次で黒字化する見通しだ。全日空の持ち株会社であるANAホールディングスもまた、2022年1~3月期に四半期ベースで営業黒字への復帰を見込む。
両社が次の目標にしているのがコロナ前の利益水準への回帰だ。とくにJALは5月に発表した2026年3月までの中期経営計画の中で、2024年3月期にEBIT1700億円と、コロナ前の水準を大きく超える目標を掲げた。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら