角川グループの角川ゲームスが本格始動、グループ内ゲームパブリッシング事業統合へ
角川グループホールディングス傘下の角川ゲームスは、20日、会社設立以来初めての新作発表会を開催、同時に4月から角川グループ内の家庭用ゲームパブリッシング事業を実質的に同社に統合することを発表した。
角川ゲームスは、角川グループのゲーム事業強化や保有コンテンツのゲーム化推進などを目的に、2009年4月に設立された会社だ。元テクモ(現在のコーエーテクモHLD)社長の安田善巳氏が社長に就任したことでも話題を呼んだ。
同社は設立以来、同じ角川グループ傘下のアスキー・メディアワークス、エンターブレインが制作する家庭用ゲームソフトの発売、販売を手掛けてきたが、今年4月からは、これらグループ会社と角川書店の家庭用ゲームパブリッシング事業を角川ゲームスに統合する。それにより、角川グループとしてのゲーム事業の一体化を進める方針だ。
今回発表したのは、角川ゲームスとして初の新作タイトル「天空の機士ロデア」。同時にエンターブレイン制作のアクションゲーム「アースシェイカー」(4月7日発売)、アスキー・メディアワークス制作のフィッシングゲーム「FISH ON」(今春発売)のリリースも発表。いずれも任天堂Wiiないしはニンテンドー3DS向けのタイトルで、新作発表会には任天堂の波多野信治常務もゲスト参加した。
安田社長は、角川ゲームスのビジョンとして、「クリエイターとともに成長成功を分かち合うプロデュース会社」を標榜。「(シリーズ展開が可能な)フランチャイズタイトルとなるゲームIP(知的財産)の創造」「(出版、映像事業などで培われた)角川グループのIPを活かしたコラボレーションタイトルの制作」にも取り組む、としている。
発表会に先立ち、角川グループHLDの佐藤辰男社長は、「角川グループが目指すのは出版、映画、映像、ネットなどを統合するメガソフトパブリッシャー。ゲーム事業もその一翼を担う大きな柱の1つになるべく期待している」「グループのゲーム事業としての課題は、世界に通用するIPを育てることと、従来グループ各社で作っていたゲームの販売を統合してグループ力を結集すること、ソーシャルアプリゲームの強化の3つ。角川ゲームスのキックオフにより、こうした戦略をさらに推進していきたい」と述べた。
(勝木 奈美子 =東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら