米政府ではいつの時代も権力闘争が激しい。ニクソン・ショックを検証した元グリーンベレーの物語。
「ニクソン・ショック」から50年が経つ。
1971年8月15日、リチャード・ニクソン米大統領は国民向けのテレビ演説を行い「金とドルの交換停止」などを内容とする新経済政策を発表した。
これを契機に、固定相場制から変動相場制に移行するなど、戦後の世界経済は大きく転換することになるが、この歴史的な政策決定の内幕に迫った本がこのほど米国で出版された。筆者はイェール大学経営大学院名誉学部長のジェフリー・ガーテンで、タイトルは『Three Days at Camp David』。
ニクソン・ショックに関する著作は、当事者たちの回顧録を含めて相当数に上るし、米国務省も自分たちが管理する機密のメモや公電などを利用して、その経緯をホームページ上で公開している。
今回、ガーテンが焦点を当てたのは、大統領の山荘であるキャンプ・デービッドで繰り広げられた高官たちによる最後の集中討議。ニクソン大統領図書館に保存されている公文書に加え、関係者へのインタビューというジャーナリスト的な手法を使い「何がどう話し合われたのか」を忠実に再現した。「米国が何もしないと高をくくっている日本のようなタフな国」という表現まで用いて大統領が対抗策の必要性に言及するなど生々しい場面も出てくる。
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