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コロナの「災厄後」に何を目指すか 必要なのは社会の深部の変化

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かつてペストの流行はルネサンスを生んだ。重要なのは、災厄の中で進む社会の変化である。

無理のない人流の再構築がコロナ後に向けた課題となる(写真は横浜駅構内)(AP/アフロ)

新型コロナウイルス感染症のデルタ株の急速な感染拡大で、医療崩壊が現実味を帯びてきた。すでにワクチン接種が普及した国々でも感染拡大を抑えられずにおり、ワクチンが必ずしもゲームチェンジャーにはならないことはほぼはっきりしてきた。

そろそろ新型コロナと長く向き合うことを前提に、今後の政治と社会のあり方を考えるところに来ているのではないか。もちろん、感染拡大を早く終息させ、会食や旅行を満喫できるような、元の生活に戻りたいというのが市民感情であろう。だが、そう簡単に打開策が出てこないのが現実である。

これからの年月は、「ウィズコロナ」などという耳当たりのよい言葉とは、程遠い。昨年の第1波の頃にメディアで躍った「アフターコロナ」という言葉も、最近は聞かれなくなった。コロナ後などそう生易しいものではない。「出口戦略」などという言葉も出始めているが、出口の外にかつてのような世界が広がっているわけではない。確かに、デジタル化により、オフィスワークであれば相当程度こなせるようになった。製造業を中心に経済活動は活発である。だが、底力のある成長軌道はとても望めない状態が続く。こうしたトンネルをくぐりながら、どうその先を展望できるだろうか。

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