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退陣もゼロではない五輪後の菅政権 「4つの壁」を乗り越える見通しが立たない

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五輪開催を強行し、閉幕後の解散・総選挙に挑むが、コロナ次第で退陣論噴出も。

バッハIOC会長と会談する菅首相(7月14日)(ロイター/アフロ)

開催延期となった夏季東京五輪は、2月の大会組織委員会会長交代や、7月12日の4度目の緊急事態宣言発令、開幕直前の開会式楽曲担当者辞任など、紆余曲折を経て、7月23日、1年遅れで何とか開幕にこぎ着けた。

夏季五輪の東京招致決定は3回目である。1回目は1936年に40年大会招致に成功したが、38年に戦時態勢を理由に開催権を返上した。2回目の64年五輪は、「黄金の60年代」と呼ばれた日本経済の絶頂期の象徴的な大会となり、「世紀の祭典」と称された。

64年五輪の招致決定は59年で、政権担当は安倍晋三前首相の祖父の岸信介元首相である。翌60年、宿願の日米安全保障条約改定の達成と引き換えに退陣した。

五輪の開催は「高度経済成長」「所得倍増」を唱える次の池田勇人元首相の時代だった。在任約4年3カ月で五輪を迎えた池田首相は、がんが見つかり、開幕の1カ月前から国立がんセンターに入院中で、外出許可を得て、開会式だけ参列した。首相辞任は必至の情勢で、政界ではポスト池田をめぐる動きが活発となる。池田首相は閉会式の翌日、退陣表明を行い、政権の座を降りた。

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