日米中に翻弄された「馬毛島」と怪人物の戦後秘史 防衛力の「空白地帯」に中国政府は付け込んだ

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

種子島の西方に浮かぶ日本で2番目に大きい無人島「馬毛島」。この島と元オーナーをめぐり、日米中を巻き込んだ壮大な駆け引きが繰り広げられていた。知られざる戦後裏面史を追う。

馬毛島の元オーナー、立石勲氏。この島にかける思いは強烈だった。写真は2019年撮影(筆者撮影)

特集「馬毛島秘録」の他の記事を読む

鹿児島県・種子島の西方12キロ先に浮かぶ馬毛島(まげしま)。日本で2番目に大きなこの無人島の元オーナー、立石勲氏が2021年5月、老衰のため亡くなった。享年88歳。

同島は、自衛隊の基地計画や沖縄のアメリカ軍普天間基地の移籍先の有力候補として名前が挙がった。また、立石氏をはじめ、日中政府の高官ら有象無象の人物が入り乱れた。戦後裏面史の舞台の1つであったことはほとんど知られていない。

筆者は、同島を1995年から2019年まで事実上所有していた立石氏と親しく付き合い、虚実入り乱れるさまざまな裏話を聞いてきた。

ライブドア幹部の紹介で中国共産党と接触

「中国ともやりとりがあったんですよ」

次ページ馬毛島を売ってくれ
関連記事
トピックボードAD