創業メンバーの離脱や訴訟 起業のドロドロ包み隠さず
──「黒歴史」が並んでいます。
留学中に起業家の話を直接聞く授業があって、ベンチャーには想像をはるかに超える、ドロドロした人間関係や葛藤があると知りました。逆に人間くささを知ることで、「あの人でもできるのか」と。等身大の起業家たちを身近に感じられたことが、自分のマインドに与えた影響としては大きかった。自分もこれからチャレンジする人に、失敗を知ってもらいたいと思いました。
コロナ禍で日本の社会システムに行き詰まりを感じたことも、執筆の動機になりました。緊急事態宣言の強制力だったり、病床の拡充だったり、思い切った決断が必要なときに日本はデメリットばかりを見る傾向がある。失敗は悪いことではなくつねにラーニング(学習)なので、チャレンジが許容される社会であってほしいという願いも込めています。
──最もつらかったことは?
2017年9月の株式上場から間もないタイミングで、創業メンバーが抜けたことです。あれはきつかった。退社の意志を告げられた日は箱根の宿で休みを取っていたのですが、ショックで一睡もできませんでした。彼は創業メンバーでは僕に次ぐ株式を保有していて、期待していましたから。
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