日本郵便役員の「懺悔」でも止まない現場の不満 現場に無理を強いる体質は変わっていない

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
2020年10月5日、事実上の保険営業再開に当たり「すべてを、お客さまのために」と題した資料をお客さんに渡すことを日本郵政グループは発表した(編集部撮影)

特集「日本郵政「再生」への遠い道のり」の他の記事を読む

顧客の意向を無視した不適正営業の大量発覚により、日本郵便は2019年7月からかんぽ生命保険の保険商品の販売代行を自粛。2020年1~3月は金融庁による行政処分で保険販売の営業を停止していた。
4月以降も営業を自粛してきたが、外部識者による会議「J P改革実行委員会」の答申を受けて、10月5日からの営業再開を決定。まずは顧客への「お詫び行脚」を優先し、現場の判断で営業を再開している。
その営業再開に先立つ9月24日。1年3カ月ぶりの営業再開に伴う注意事項や「お詫び行脚」の優先であることを徹底するために、日本郵便の東京支社で「緊急保険担当副統括局長、単独マネジメント金融コンサルティング部長会議」が開催された。
この会議の冒頭での荒若仁・執行役員東京支社長の発言を記録した音声を本誌は独自入手した。これは東京支社の管轄の郵便局員なら誰でもアクセスできるようになっている。
荒若支社長は、かんぽ生命保険の不適正募集について、「最大の原因は、私が考えるには、会社の方針」と、営業現場の社員よりも、経営幹部や会社の責任が重いことを全面的に認めている。日本郵政の増田寛也社長が定例会見でのべてきたような、あくまでも募集手当ほしさに現場の社員が法律や社内ルールを犯したという見方とは大きく異なるだけに、重要な発言だ。
以下はその全文である。

「会社に従ってやってきたはずが全否定された」

次ページやりたくはないんだけれども
関連記事
トピックボードAD