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中国通の2人が語り尽くすデジタル中国への期待と不安 特別対談|アジア・パシフィック・イニシアティブ 徳地立人 × 神戸大学 梶谷 懐

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デジタル技術が国民の生活へ急速に浸透していく中国。気鋭の研究者と中国ビジネスのレジェンドが、激変する大国の先行きを占う。

デジタル技術の社会実装は中国をどう変えるのか。中国を知り尽くす2人が徹底討論。

(司会 本誌編集長・西村豪太)

──中国のデジタル化への新型コロナウイルスの影響は。

梶谷 オンライン会議の増加や医療分野でのオンラインサービスの普及に拍車がかかり、デジタル化への追い風になった。ただ、コロナ禍がきっかけにはなったが、すでに中国で始まっていたDX(デジタルトランスフォーメーション)の延長線上にあるのだろう。

神戸大学教授 梶谷 懐(かじたに・かい)1970年生まれ。神戸大学で博士号取得(経済学)。中国人民大学に留学。神戸学院大学准教授などを経て現職。著書に『中国経済講義』、共著に『幸福な監視国家・中国』など。(撮影:今井康一)

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例えば、スマートフォンアプリの「健康碼(健康コード)」はウイルス感染に対する安全度を判定するが、これはチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」や「支付宝(アリペイ)」など既存サービスの情報とひも付けして利用できる。既存のサービスを基にコロナ対策に使われたため、感染拡大への対応が早かったと評価できる。

徳地 デジタル化の流れはさらに加速する。中国社会の需要はまだ満たされていない。中国ではインターネットの利用増加でビジネスチャンスが増えてきたが、これからは「互聯網+(インターネットプラス)」政策の下でネットとリアルが融合していくだろう。また、中国には若くてハングリーな起業家が大量に存在する。さまざまな分野で激しい競争が繰り返され、よいサービスが相次いで生まれている。

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