危機の長期化により、潜在成長率が一段と低下し、財政リスクが高まる。

布製マスク2枚の全世帯配布に466億円の費用をかけるとしたことにも批判が高まった(代表撮影ロイター/アフロ)
経済活動を政府の要請で自粛する──。通常であれば考えられないことが、新型コロナウイルス感染拡大の下で行われた。
日本経済への影響はどうか。
17社18人の有力な民間エコノミストに緊急のアンケートを実施。今年度の成長率や物価の見通し、安倍政権の緊急経済対策への評価、さらにコロナ危機をきっかけに中長期でどのような変化が起こると考えられるかなどについて質問した。
まず、実質GDP(国内総生産)成長率の見通し(以下、下表参照)を見てみよう。2020年1~3月期については、5月18日に1次速報が発表される。エコノミストの予想は、マイナス3.5%からマイナス7.2%までと幅が広いが、多くはマイナス4%台に集中した。その結果、19年度は、0~マイナス0.3%の予想となった。19年10~12月期は台風や消費増税の影響でマイナス1.8%(年率マイナス7.1%、2次速報)とすでにマイナス成長に陥っており、前半のプラスを吹き飛ばした格好だ。
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