人の移動が止まったことは鉄道にも大打撃だ。JR本州3社(JR東日本、JR東海、JR西日本)の2019年度決算はいずれも大幅な減益だった。JR東日本の営業利益は前期比22%減の3808億円。東日本大震災が起きた10年度でも営業利益は0.1%増と持ちこたえていただけに、新型コロナウイルスの影響は東日本大震災以上といえる。JR東海とJR西日本の営業利益もそれぞれ8%減の6561億円、18%減の1606億円と低迷した。
20年度の業績予想は3社とも「未定」としている。だが、19年度より厳しい決算となるのは間違いない。4月7日の緊急事態宣言発出以降、都市圏における通勤や買い物などによる鉄道利用は7〜8割減った。出張や観光目的の利用者が多い新幹線はさらに厳しく、9割近く減っている。
各社の1日当たりの運輸収入はJR東日本が約50億円、JR東海が約38億円、JR西日本が約24億円。仮に利用者が通常の8割減となれば、JR東日本で1日当たり約40億円の減収となる。この状態が2カ月続けば、通常時に比べ収入は2400億円も減少する。
収入減の影響を少しでも和らげようと、JR各社はゴールデンウィークや週末などの臨時列車や一部の定期列車で、新幹線や在来線特急の運休を進めている。では、列車の運休は経費削減にどの程度寄与するのか。結論から先に言うと、大きな経費削減効果は望めない。その理由は鉄道会社特有の費用構造にある。費用全体に占める固定費の負担が重いのだ。そのため、収益の伸びに応じて増える費用があまりない一方、列車を運休しても費用はさほど減らない。
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