「いまだかつて経験したことがないイベントリスクだ」。日本航空(JAL)の菊山英樹専務執行役員は、新型コロナウイルスの影響が直撃した2020年1〜3月期を硬い表情で振り返った。
大幅な減便でこの3カ月間の売上高は前年同期比21%も減り、営業損益は195億円の赤字に陥った。エアラインビジネスは人件費や機材関連費などの固定費が営業費用に占める比率が高いため、売り上げが急減すると収益が大きく悪化する。20年3月期通期でみても売上高は前期比5%減の1兆4112億円、営業利益は同43%減の1006億円に落ち込んだ。
ANAホールディングスも20年3月期の売上高は前期比4%減の1兆9742億円、営業利益は同63%減の608億円に沈んだ。
21年3月期の業績予想は、2社とも新型コロナの収束時期が見通せないため未定としている。ただ、業界団体である国際航空運送協会は、20年の航空旅客収入が19年より55%ほど減ると見込んでいる。

この見込みどおりに20年度の収入が減れば、JALの21年3月期業績は売上高が約6300億円、営業赤字が約1700億円になると予想される。収入減に応じて変動費を減らし、固定費も約600億円減らす前提だ。ANAは航空事業以外の売上高が前期並みを維持しても全体の売上高は約9800億円へ減り、固定費を日本航空と同様に約600億円減らしたとしても営業赤字が約2400億円となりそうだ。
今や焦点は資金繰りになっている。急速な需要減により、海外ではすでに豪ヴァージン・オーストラリアや中南米のアビアンカといった中堅エアラインが経営破綻に追い込まれている。JALとANAはいつまで耐えられるのか。
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