業界の再編成は難しい、ルールにのっとった自由競争を
自由化はまだ早い
――乗用車の自由化は、どうやら9月1日実施の線が濃いようですね。石田さんはかねてから、自由化尚早論を唱えておられましたが、もはや9月実施もやむなし、ということで、先日トヨタ系関係会社の幹部の方々を集めて、だいぶハッパをかけられたそうですね。
石田 日本の運命として、いずれは自由化しなければならないでしょうが、ただ、部品工業や販売店を含めて考えた場合、すでに自由化態勢は整ったと言えるかどうか。これはむしろあなたがたが判断してほしい。
――しかし、最近は自動車の輸出も、ずいぶん伸びているようですね。採算はともかく……。
石田 確かに輸出は増えてきました。昔は、機械のなかで紡織機の輸出が一番多いと、ハナを高くしていたんですが、いまでは自動車のほうが段違いに多くなった。だが、それでは生産の何割を輸出しているかというと、まだ自動車は微々たるものです。そこになお時期尚早の点がありはしないか。
しかも、採算がよくない。繊維機械のほうは、日本の紡績業があんな状態ですから、どうしても海外に出なければ自分たちの明日の仕事がない。そこでいろいろ苦労もして、いまでは十分利益のある輸出をしております。ところが、自動車のほうは、そこまでなかなか行っていないような気がします。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら