アマゾンの新配送網は「ヤマトへの対応じゃない!」 アマゾンジャパンの物流トップが激白

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「ヤマトとアマゾンをケンカさせたい論調がある」と述べたジェフ・ハヤシダ氏(撮影:山内信也)
ヤマト運輸によるアマゾンジャパンへの配送料値上げ交渉が注目を集めたのが2018年前後のこと。目下、アマゾンは「デリバリープロバイダ」と呼ばれる中小運送事業者との関係を強化し、2019年1月から個人事業主に直接配送を委託する「アマゾンフレックス」も本格化させている。
配送網の多様化でアマゾンジャパンの物流の在り方が変化する中、その意図や狙いは会社側から語られてこなかった。今回、物流を統括するジェフ・ハヤシダ社長を直撃。ハヤシダ氏はインタビューが始まるなり、質問を聞くことなく堰を切ったように話し始めた。

 

前からヤマト(運輸)と僕らをどうしてもケンカさせたいみたいな論調があって、アマゾンフレックスも配送料を値上げしたヤマトへの対応と取られがちだけど、そうじゃないってことを僕は今日、言いたい。

アマゾンフレックスというテクノロジーは、そう単純に作れるものじゃない。だから別に今だからこそやっているのではなく、前からやろうとしていたことがようやく始まっただけ。

本社からは「日本でもアマゾンフレックスをやってんだから、さっさとPRしてくれ」って言われたけど、「いやいや、君たちが思っているほど簡単な話じゃないから」と僕がそれを止めていた。アメリカ人はすぐ風呂敷広げるから。

フレックス開始で譲れないものがあった

でも、僕はそういう性格じゃない。ちゃんと実績ができて、それで(関係者の)利害が偏っていないことが明確になるまでPRをやらないことにした。もうちょっと効果を検証してから発表したいなって思っていた。ここ数カ月間、アマゾンフレックスが配送料の値上げへの対応で、安く配送するためって思われているんじゃないかと僕は感じている。でも全然そういう話じゃないと強調したい。

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