——2014年に1.6兆円で米ビームを買収してから5年が経ちました。
買収直後は考え方の違いからぶつかることが多かったものの、サントリーとしての企業精神を理解させることができ、統合は一段落した。
買収当時、ビームは上場企業であり、短期的な利益追求志向が強い会社だった。長期的な視野でのブランド育成や、消費者がいるレストランに直接行って現場を確かめるといった現場志向を苦手にしていた。この考え方を改めさせたことで、商品力の向上にもつながった。逆に、上場していないサントリーは収益に対するこだわりが薄い会社だった。ビームの強みであるファイナンスやマーケティングを学んだことで、収益性を改善できた。
さらに、統合の成果としてこの2~3年で日米の蒸留所が共同で開発した商品を複数発売した。サントリーが気づいていなかった、日本の食材に対する世界の憧れをベースに「ROKU」というジンを発売し、想像よりも売れた。また、ウイスキーでも蒸留所の人材交流が進み、日本のジャパニーズウイスキーと米国のバーボンの良さを活かした新商品につながった。足元では、より攻めていく段階に入っている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待