悪循環に陥ると抑うつ状態になることも。要因を知って対策を講じよう。

(xiangtao / PIXTA)
「あぁ、肩がこってつらい」「首を回すと痛い」……。職場でため息交じりにこうした声が上がるのを聞かない日はないくらい、身近な症状である肩や首のこり。病気やケガなどで自覚症状のある人(有訴者)がどのくらいいるかに関する厚生労働省の調査でも、「肩こり」は女性の第1位、男性の第2位となっている。腰痛とともに、肩こりは日本のビジネスパーソンを悩ます国民病だといってよいだろう。

「肩や首の『こり感』それ自体は我慢できないほどのものではなくても、それを不快に思う気持ちや、その他の精神的ストレスが、痛みの感受性を増幅させてしまう」と遠藤健司医師は言う。肩こりを放置した結果、抑うつ状態に陥ってしまうこともあるのだ。
そもそも肩こりとはどういう状態なのか、どのように対策すればよいかを、遠藤医師に聞いた。

東京医科大学医学部 医学科臨床医学系 整形外科学分野 准教授 遠藤健司(えんどう・けんじ)1988年東京医科大学卒業。92年同大学院整形外科修了、米国ロックフェラー大学ポスドクとして留学(神経生理学を専攻)。95年東京医科大学茨城医療センター整形外科医長、2007年東京医科大学整形外科講師を経て19年から現職。(撮影:吉濱篤志)
負のスパイラルに陥るな
肩こりは一般に、「首の後ろから肩、背中にかけての筋肉のこり感(張り感、こわばり感)を主体とした不快感の症候群」と定義されている。ざっくりした定義だが、この「こり感」はどのようにして発生するのだろうか。
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