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効率化進む薬局内業務、問われる薬剤師の存在意義 大転換期の薬剤師

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在宅対応や医療費抑制に薬剤師の取り組みへの期待は高まるが…。

ロボットの導入で同規模の薬局の倍以上の薬を備蓄する梅田薬局の渡部正之氏

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「忙しいビジネスパーソンを30分も店内で待たせるような現状はありえない。待ち時間をゼロにしなくては、薬局は今後生き残れないだろう」。5月7日にフルオープンしたJR大阪駅前の医療モールで「梅田薬局」を運営するメディカルユアーズの渡部正之社長(薬剤師)は、今後の薬局のありようを話す。

梅田薬局は開業に当たり、医療機器の日本ベクトン・ディッキンソンの「薬局ロボット」(上写真)を導入。通常の薬局では薬剤師が手作業で行う、薬の管理や調剤棚への薬の補充、取り出しをロボットが担っている。ロボットは処方箋の情報を基に、平均10秒ほどで棚から薬を選び出し、取り出し口まで運んでくる。

無人窓口で営業時間外でも薬を受け取れる

梅田薬局は約2500品目の薬を備えている。同規模の薬局は通常1200品目程度なので倍以上だ。ロボットを用いることで、頭上の高所から足元まで、しかも隙間なく配置できるため、総合病院並みの薬の備蓄が可能となった。

ロボットはバーコード管理により薬を識別して記憶するため選び間違いはなく、かつ一般的な処方なら待ち時間はほとんどない。また、先に薬剤師から服薬指導を受けていれば営業時間外でも薬を受け取れる無人窓口も備えるため、例えば仕事からの帰宅途中の夜間に立ち寄ることもできる。

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