──日本再興に、なぜ最低賃金の引き上げが必要なのでしょうか。
デフレの原因について金融政策のミスなどいろいろなことが言われているが、分析すればするほど、労働分配率の低さに行き着く。
労働分配率低下デフレなのだから、分配率向上インフレに変えればいい。例えば、2人が100万円ずつ給料をもらって全部消費すれば、消費総額は200万円。人口減で1人になった場合、給料が100万円のままなら、消費総額は半分になるが、200万円に引き上げれば総需要は変わらない。なぜそれに気づかないのか。
──だから人口減少に合わせて賃金を上げていったほうがよい、と。
そうだ。人口減少や高齢化が進む中で労働分配率を下げていったら、経済が死んでしまう。
──著書の中で、米国の経済成長の最大の要因はイノベーション(技術革新)ではなく、実は「人口増」であり、今後も人口が増える米国を手本にするのはやめるべきだ、と強調されています。
日本経済を議論するときに、「イノベーションを起こすべきだ」「米国のように新しい企業がたくさん生まれる環境を整備すべきだ」といったことをみんな平気で言う。
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