「お一人様ご試聴5分までです」。昨年12月に東京・秋葉原で開催された携帯音楽プレーヤーの展示会。ソニーのブースの前には、朝から行列ができていた。30~40代の男性が中心だが、若い女性や中学生の姿もあった。
お目当ては発売されたばかりのプレーヤー「DMP-Z1」だ。ティッシュ箱ほどの大きさがある筐体はアルミを削り出して作られた。金メッキが施された音量調整用のつまみも高級感を醸し出す。価格は税込みで100万円を超える。だが試聴を終えた客の一人は「音質は現存する製品の中で最高レベル。この品質で100万円は高くない」と言う。
高音質のハイレゾ前面に技術者とファンの交流も
今でこそオーディオマニアを魅了するソニーの音響機器だが、かつては「一般消費者には受け入れられても、マニアには響かなかった」と、ソニーマーケティングでポータブル音響機器を担当する長尾幸奈氏は振り返る。低価格帯の製品を広く展開したことでブランドイメージが大衆化していたためだ。「ドンシャリ系」と呼ばれる、高音と低音を強調した音質もマニアからは敬遠された。
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