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食品業界の異色ベンチャー、規模拡大で弱点を補完 ヨシムラ・フードHDは中小企業を次々に統合

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楽陽食品は高性能のシューマイ自動製造装置を導入し歩留まりを改善。2008年の買収後、わずか1年で黒字化を達成した

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従業員20人以下の小規模企業が全企業の約8割を占める日本。世界的に見て、生産性が低い国には規模の小さな企業が多い。デービッド・アトキンソン氏は、この小規模企業の多さが生産性の低さの要因だと指摘し、企業統合の必要性を説く。

その戦略を地で行くのが、ベンチャー企業のヨシムラ・フード・ホールディングス(HD)だ。金融業界出身の吉村元久CEO(最高経営責任者)が2008年に設立した。16年に株式公開し、現在は東証1部に上場している。企業買収を積極的に進め、グループ企業数は15社にまで増加。傘下企業における一時的なコスト増で、足元は営業減益となるが、売上高は200億円を超え、5年前の2倍になる見込みだ。

買収対象としてきたのは、後継者難に直面したり経営が不安定化したりしている食品会社だ。傘下企業の製造・販売する商品は乾麺、ゼリー、とんかつ、ピーナツ加工品、日本酒、マグロ加工品など多種多様で、所在地域もバラバラ。チルドシューマイ国内トップメーカーの楽陽食品(東京・足立区)が従業員数300人弱であるものの、傘下企業の半数は50人以下の企業である点が共通している。

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