日産ゴーン逮捕 権力集中の末路 「カリスマ」突然の失脚

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日産自動車のゴーン会長が東京地検に逮捕された。長期政権の弊害が露呈。

(撮影:尾形文繁)

「ゴーンによる長年にわたる統治の負の側面と認めざるをえない」

仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン氏(64)が11月19日、東京地検特捜部に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕された。同日夜に記者会見した日産の西川廣人社長は事件の背景として、20年近く日産のトップに君臨してきたゴーン氏による長期政権の弊害があると言い切った。

報酬を50億円過少記載

特捜部によると、ゴーン氏は日産の代表取締役を務めるグレッグ・ケリー氏(62)と共謀し、2010〜14年度の有価証券報告書に、実際にはゴーン氏の報酬が計約99億9800万円だったにもかかわらず、計約49億8700万円だったと過少に記載した疑いがある。日産はゴーン氏が会社の投資資金や経費を私的に流用するなど「複数の重大な不正行為」もあったとする。日産と三菱自は逮捕を受け、ゴーン氏を会長職と代表取締役職から解任する議案をそれぞれ取締役会に提出することを発表した。

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