中国で空前の「猫ブーム」が起きている。ペット市場が急成長を続けるほか、日本文化の影響を受けたコンセプト書店も登場。中国社会の体質変化を示している。
中国はいま空前の「猫ブーム」だ。社会の所得水準が高まると同時に都市化、少子高齢化が進み、独身・単身世帯が増加、若い世代を中心に生活のパートナーを求める意識が高まったことがその背景にある。
中国のペット業界団体が先頃発表した「2018中国ペット業界白書」によると、中国で猫を飼っている人は2258万人。1人当たり年間平均支出は4311元(1元は約16円)に達する。2017年の中国のペット産業市場規模(動物自体の売買、餌、美容などのトータル)は1708億元で、対前年比27%増。これは犬と猫を合わせた数字だが、猫関連の市場も大きく伸びているのは確実だ。
ネット上で飛び交う最近の流行語に「吸猫」というものがある。猫がかわいいあまり、思わずほおずりしたり、キスしたりと「猫に吸い付いてしまう人」という意味だ。大手インターネット企業、テンセントの付属シンクタンクが18年春に発行した「中国吸猫現象研究報告」によると、「吸猫族」は全国で5000万人を超える。主体は女性で、全体の68.5%。中でも「90后」と呼ばれる1990年代以降生まれがその中心で、「吸猫族」女性の72.3%を占めている。
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