中国の国営メディアが、極超音速飛翔体や新型戦略爆撃機の試験・開発状況などを次々に報じている。異例の報道の背景には何があるのか。
中国が軍事力を誇示している。といっても、軍事パレードや軍事演習ではない。中国中央電視台(CCTV)など国営メディアが、中国が最先端技術を用いて開発中の兵器をアピールする報道を行っているのだ。
10月12日、CCTVは、彗星のように光を放ちながら飛行する物体の映像を放映した。内モンゴル自治区や北京で目撃されたこの飛行物体について、UFO(未確認飛行物体)と疑う声もあるとしながら、「おそらく極超音速飛翔体の実験だ」と紹介した。
中国メディアが、極超音速飛翔体の試験結果を報じたのは、これが初めてではない。8月3日、中国航天空気動力技術研究院の「星空2号」ロケットの試験飛行の様子も報じている。飛翔体は高度30キロメートル、マッハ5.5~6.0で飛行し、低高度における機動飛行など一連の技術検証を行い、正確に目標地点に到達したという。
中国は、2014年1月にも極超音速飛翔体の飛行実験を行っているが、中国メディアが積極的に報じることはなかった。しかし今回は、米国のPGS計画(Prompt Global Strike:1時間以内に地球上のすべての地域を攻撃できる計画)に対抗する戦略兵器として大々的に取り上げている。
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