国家主席の任期撤廃など習近平氏への権力集中が焦点となった今年の全人代。併せて発表された国防費予算には、その政治的メッセージが垣間見える。
3月5日から20日までの間、中国全国人民代表大会(全人代)が開催された。5日の全人代開幕に合わせて発表された予算報告では、2018年の国防費は前年比8.1%増の1兆1100億元(約1750億米ドル)を計上するとされた。
17年の国防費は前年比7%の伸びであったので、伸び率は約1ポイント増加したことになる。しかし、これだけをもって、中国の軍備増強が「加速した」とは言いがたい。
そもそも、「中国が公表する国防費」は武器装備品の開発費などを含んでいない。そのため、日本や欧米諸国の基準でいう中国の国防費は、公表されているものよりもはるかに大きいと考えられている。
一方で人民解放軍は200万人という膨大な数の軍人を抱える。中国は人件費や衣料品の貸与、食費などだけで巨額の予算が必要になるのだと説明する。
実際、習近平氏が昨年10月の中国共産党第19回全国代表大会(19大)で述べたように、軍内に不満をためないための軍人の処遇改善は積極的に実施されている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら