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権力集中急ぐ習近平の焦燥 特別対談|宮本雄二×柯 隆

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(司会・本誌:西村豪太)写真:3月上旬の全人代での習近平氏。後ろにいる王岐山氏を副主席に就け、米国との関係改善に動くか

中国の国会にあたる第13期全国人民代表大会(全人代)が3月5〜20日に開かれている。3月11日には国家主席の任期制限撤廃が決まり、習近平国家主席への権力集中ぶりが鮮明になった。習氏への集権の先に何があるのか。元駐中国大使で宮本アジア研究所代表の宮本雄二氏と、富士通総研経済研究所主席研究員の柯隆氏の二人による対談で展望する。

──昨年10月に開かれた、5年に一度の中国共産党大会では、習氏の後継者を示唆する人事はありませんでした。習氏への権力集中についてどう評価しますか。

宮本 まず、共産党一党支配の中国では、習氏が務める党総書記がすべての力の根源であることを指摘しておきたい。そして総書記には任期が定められていない。

習氏には、歴史に名を残す大人物になりたいという願望がある。そのために前例にはとらわれないという姿勢が、党大会や全人代を通して見えてきた。

そもそも共産党の人事をめぐるさまざまなルールは、習氏の前任の最高指導者である胡錦濤氏あるいはその前の江沢民氏のときに形成されてきた。さらにその前のトウ小平(故人)が強大な力を持ち、トウの発言がルールになっていた。

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