
星野佳路(ほしの よしはる)/1960年生まれ。米コーネル大学大学院を経て、日本航空開発(旧JALホテルズ、現オークラ ニッコーホテルマネジメント)に入社。1989年に帰国後、実家の星野温泉に入社するも、半年で退職。シティバンクを経て、1991年に星野温泉に戻り、社長に就任。現在はグループの代表を務める(撮影:尾形文繁)
東京都市部でホテルが急激に増えている。不動産サービス大手のCBREによると、東京のホテル客室数は2016年末で約9.6万室。これに対し、2017〜2020年の4年間で約2.9万室増える見通しだ。そのうちの半数近くがビジネスホテルだといわれる。
業界ではビジネスホテルを含め、宴会場や大きなレストランを持たず、客室の運営だけに特化したホテルのことを「宿泊特化型ホテル」と呼ぶ。都内を見回しても増えるばかりの宿泊特化型ホテルだが、急速な拡大に問題はないのか。星野リゾート代表の星野佳路氏に読み解き方を聞いた。
課題は差別化しにくいこと
──日本のホテル産業が抱える問題は何でしょうか。
生産性の低さが一番大きな問題で、それがいろんな問題に波及しています。給与水準がほか業界かと比べると低い。だから質の高い社員が定着しない。入社後1年以内の離職率は業界平均で30%を超えるので、新しい人を雇い続けなければならない。投資リターンも低く、十分な借り入れができず、設備更新が進まない。これが一番大きな問題だと思います。
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