エアコン最大手のダイキン工業。同社の好調ぶりが際立っている。
2017年度は売上高2兆2905億円、営業利益2537億円で8期連続の増収増益だった。営業利益は5期連続で最高益を続けている。営業利益率11.1%、ROE15.7%。トヨタ自動車やパナソニックなど日本を代表する企業をも上回る水準だ。
ダイキンが急成長を遂げたのはこの20年だ。日本企業が国際競争力の低下に直面した「失われた20年」の間に、ダイキンは右肩上がりの成長を続けてきた。
その基礎を築き上げたのが、井上礼之会長(83)。1994年、ダイキンが赤字に転落したタイミングで社長に就任し、一貫して同社の成長を牽引してきた。その経営手法として注目されるのが、グローバル化とM&A(企業の合併・買収)だ。2003年度に約2000億円だった海外売上高は、2017年度には約1兆7500億円に拡大。そして、就任以降手掛けたM&Aは約30に及ぶ。
東洋経済では井上会長に2時間にわたるロングインタビューを敢行。本連載ではその内容を余すところなく紹介する。ダイキンはいかにグローバル企業へと変身したのか。井上会長の経営の要諦を、全4回に渡りじっくり聞いていこう。
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