ダイキン工業は6月5日、2020年度に売上高2兆9000億円、営業利益3480億円を目標とする経営計画を発表した。
同社は5年ごとに5カ年の経営計画を策定することを慣例としている。ただし、この時点での最終年度の数値は「ありたい姿」を示したもの。それを折り返しの3年目に現実的な数値に見直すやり方を続けている。今回はその3年目の見直しのもの。当初の「ありたい姿」から若干数値を下げたが、そこに着実に近づいていることが確認された。
井上礼之会長には第1回、第2回と空調事業に限らない経営の要諦を聞いてきた。第3回はダイキンの主力、空調事業の課題と将来について。
──2009年度以降、連続増益が続いており、業績は絶好調です。そうした中で、大きな課題は米国市場です。2012年に買収したグッドマンとの相乗効果はまだ十分に引き出せていません。
おっしゃる通りです。家庭用空調にはダクト式(大型室内機からのダクトで各部屋を冷やすいわゆるセントラル空調)と部屋別に空調するダクトレス式の両方がある。米国はほとんどがダクト式。一軒家は玄関も廊下も風呂場も冷房暖房が行き渡っている。日本と欧州はほとんどがダクトレスだ。
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