福岡市が「スタートアップ都市宣言」をしてから5年半が経った。さまざまな施策が今、実を結ぼうとしている。
「1~2年後に福岡で起業したい。それで、この場所に来てみたかったんです」。広島県出身で国立の大学院を今春卒業したばかりの男性は、うれしそうに話す。「この場所」とは、福岡市が昨年4月、天神駅近くの中心街に立ち上げたスタートアップ支援施設「フクオカ グロース ネクスト(FGN)」のことだ。
FGN内には、創業手続きから人材確保までを一気通貫で支援する「スタートアップカフェ」(上写真)をはじめ、スタートアップ企業が入居するオフィスやコワーキングスペースなどがある。福岡市内での起業に興味がある人のほか、ベンチャーキャピタリスト、新規事業創出に力を入れる企業など、スタートアップ(起業家)周辺の人々が日々、一堂に会している。
オープンから1年が経ち、最近では福岡市内だけでなく、東京のベンチャーキャピタルや起業に興味がある全国の若者までが集うようになっている。冒頭の男性は4月、東京の大手メーカーに入社する。だが、起業は東京ではなく福岡でという思いが強い。「福岡のスタートアップが盛り上がっていると人づてに聞いた。暮らしやすそうな雰囲気もいい。何より、人が多い東京では起業しても埋もれてしまう」。
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