トランプ政権が今年2月に公表した新しい「核態勢の見直し」。米メディアの批判は抑制的だ。その背景にはロシアや中国の核に対する警戒感がある。
米トランプ政権はオバマ政権の「核態勢の見直し」(NPR=Nuclear Posture Review)を改定し、2月に発表した。
このNPRはホワイトハウスが承認する前の今年1月、ニュースサイト「ハフィントンポスト」が「これがNPRの原案だ。トランプはもっと核兵器が欲しいらしい」とスクープ(特報)し反響を呼んだ。
トランプ政権への対決姿勢を明確にしているワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙は、それぞれ「新しい軍拡競争の兆し」、「国防総省は破壊的なサイバー攻撃には核報復を示唆」という記事を掲載したが、ほかの問題でのトランプ政権に対する手厳しい批判とはだいぶ趣が異なっている。
その理由は、ニューヨーク・タイムズ紙が引用したオバマ政権のセイモア元大統領補佐官(核不拡散担当)の次のコメントに表れている。「新しいNPRはオバマ政権の基本的姿勢を繰り返しているにすぎない。米国と同盟国、友好国の死活的な利益を守らなければならない究極の状況においてのみ、核兵器の使用を考えるということだ」。
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