小池百合子東京都知事が明らかにした「盛り土」問題に揺れた豊洲市場。有害物質を含む地下水の安全性をめぐるすったもんだの末、地下空間にコンクリートを打ち、地下水管理システムを改修することを条件とし、今年10月11日に築地から移転することで決着した。
都肝いりの改革が裏目 ゼネコンが豊洲にそっぽ
ところが、今度はその追加工事をめぐって都は苦杯をなめさせられる。工事を請け負うゼネコンがなかなか決まらなかったのだ。
昨年9月から都が発注した追加工事9件のうち、その日のうちに落札されたのはわずか1件。ほとんどは業者側の金額が予定価格(都が設定した落札の上限価格)を大幅に超過、あるいは1社も入札に応じなかった(8件のうち主要な5件については下表参照)。
今年10月の開場を考えれば「年を越すわけにはいかなかった」(都財務局)。尻に火がついた都は競争入札をやめ、随意契約(任意で決めた相手と結ぶ契約)へと切り替えた。最後の契約を結んだのは12月22日。今年10月の開場を考えればぎりぎりのタイミングだった。なぜこんな事態を招いたのか。
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