人手や後継者不足などの問題は山積みだ。業界全体が早急な改革を迫られている。
需要の拡大で潤う建設業界だが、同時に顕在化しているのが人手不足だ。2017年平均の有効求人倍率は建設躯体工事(型枠工など)の9.21倍を筆頭にどの職種も軒並み高く、全職業の1.35倍を大きく上回る。
さぞかし人集めに苦労しているだろうと思いきや、「今は足りないとは感じていない」と鹿島の押味至一社長は言う。ほかのゼネコンも平静を保っている。いったいなぜなのか。
「需要が伸びている首都圏だけの局地的な不足であって、地方には人手がある」(全国建設業協会の畠山愼一技術顧問)というのが業界全体の共通認識だ。「1980年代のバブルのときは日本全国あらゆるところから人をかき集めていた。それに比べると大したことはない」と清水建設の宮本洋一会長は言う。
また受注環境が好調なのも大きい。「人手の確保にはコストがかかる。そうした面も含めて採算が厳しい案件は、無理してやらない」(大手ゼネコン幹部)という姿勢を貫けるからだ。
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