2017年度の医学部入試も中高一貫校が席巻した。近年は地方の公立高校でも地域枠を活用して医学部進学を狙える。本当に強い高校はどこか。
医学部志望熱の冷めやらぬ中、医学部に入学する可能性を高めるためには、進学実績の高い学校を選ぶ必要がある。
今年度の国公立大学医学部合格者数ランキングでは、1位から9位までを私立の中高一貫校が独占。「強い高校とそうでもない高校の差はますます広がっている」(大学通信の安田賢治情報調査・編集部ゼネラルマネージャー)。高い進学実績を誇る高校の強さの秘密に迫った。

東 海
灘や開成といった全国の有名進学校を尻目に、2008年度から10年間、国公立大医学部の合格者数でトップに君臨する高校がある。東海高校(愛知県名古屋市)だ。

国の有形文化財に指定される東海高校の講堂
圧倒的な合格者数の背景には何があるのか。医学部合格トップの秘訣を聞くと、「特別なことは何もありませんよ」と学習指導部長の杉浦一輝氏は涼しい顔で話す。
実際、東海高校では医学部進学の対策は何も行っていない。「学校の役割はさまざまな可能性を提示すること」という教育方針から、医師志望の生徒には「視野を広げろ」とハッパをかけることさえある。
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