「森友に続いて、こんどは加計か」。自民党の中堅議員が嘆いた。
安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園が愛媛県今治市に設立する予定の大学の獣医学部をめぐって、「総理のご意向」という指示が内閣府から文部科学省に伝えられたとする文書が明らかになり、政権を揺さぶっている。
森友学園の問題では、首相夫人の昭恵氏が名誉校長を務めていた小学校の建設予定地として国有地が値引きされて払い下げられ、官僚たちの「忖度(そん たく)」があったのかどうかが焦点となった。二つの疑惑から浮かび上がるのは、安倍首相の「一強」政治の中で政策が歪められていないかという疑念である。
加計学園をめぐる疑惑は森友問題とともに指摘されていたが、最近になって朝日新聞が文科省内のものとみられる文書をスクープした。加計学園の獣医学部開設について、国家戦略特区を所管する内閣府が文科省に対し、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などの言葉を使って、早期の許認可を迫っている。2016年9月に作成された文科省内のメモだという。前川喜平前文科次官は「文書は本物」と証言した。
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