今年2月に創業20年を迎えたインターネット通販(EC)大手の楽天。EC市場を切り開き、かつて気鋭のベンチャー企業と呼ばれた同社は今や連結従業員1万4000人の大企業となった。一方で楽天を飛び出す人材も最近は増えている。複数の楽天関係者は「黎明期を支えた人材が抜けて、新天地でチャレンジし始めている」と指摘する。「楽天はリクルートグループのような人材輩出企業になっている」(同関係者)との声も多い。楽天という場で経験を積んだ社員たちは、どうして起業という道を選んだのか。楽天ではできない何を求めているのか。30代のOB経営者4人に語ってもらった(全4回、5回目はOB名鑑を公開。座談会は2月中旬に実施)。
楽天OB座談会(1)
楽天を辞めて、やりたかったこと
──楽天発のベンチャーが最近よく目立つということで、本日は4人の方に集まっていただきました。自己紹介をどうぞ。
エアークローゼット・天沼聰CEO(最高経営責任者):1979年生まれで、今年38歳です。大学は海外だったのですが、卒業後はIT戦略系のコンサルティング会社のアビームコンサルティングに入りました。そこに10年弱ぐらいいて、2011年に楽天へ転職しました。
楽天ではグローバルのマネージャーとして、UI(User Interface)、UX(User Experience)に特化した本社の支援部隊で働きました。グローバルのマーケティング部隊と連動して、海外現地のUI、UXを高めるという仕事です。その後14年に今の会社を創設し、月額制のファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」を運営しています。期限なしで何度も新しい洋服との出合いを楽しめる、というサービスです。
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