今年2月に創業20年を迎えたインターネット通販(EC)大手の楽天。EC市場を切り開き、かつて気鋭のベンチャー企業と呼ばれた同社は今や連結従業員1万4000人の大企業となった。
一方で楽天を飛び出す人材も最近は増えている。複数の楽天関係者は「黎明期を支えた人材が抜けて、新天地でチャレンジし始めている」と指摘する。「楽天はリクルートグループのような人材輩出企業になっている」(同関係者)との声も多い。
楽天という場で経験を積んだ社員たちは、どうして起業という道を選んだのか。楽天ではできない何を求めているのか。30代のOB経営者4人に語ってもらった(全4回、5回目はOB名鑑を公開。座談会は2月中旬に実施)。
──楽天を飛び出し、起業という選択に踏み切った経緯について教えてください。
倉橋:すごく成長している会社に入れて、楽天にいたこと自体は学びが大きかったです。自分のやったことが、人からも数字としてもフィードバックされます。すごく刺激的で、成長を体感できる環境でした。会社が大きくなるとどんどん環境が変わっていくので、そこでまた学びも増えました。
僕は楽天に入る前から、「独立しよう」って決めていました。でもECが好きというわけではなかったです。モノをネットで初めて買ったのも、楽天の面接がきっかけです。「うちのサイトを使ってみて、どうだったか教えてよ」って言われて、Mr. Children(ミスターチルドレン)のCDをサイトで恐る恐る買ったぐらいなんですよ。「CDなら(不良品や偽造品はなく)ハズレはないだろう」という理由でした。
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