細田晴香さん(仮名)は3歳の頃にピーナツアレルギーを発症して以来、30歳になった現在もその症状に悩まされている。職場の同僚にお土産としてもらうお菓子は、自宅に持って帰り家族に食べてもらう。安易に食べると口の中の違和感や、ひどいときには顔のはれ、呼吸困難などアナフィラキシーの症状が出ることがあるからだ。
受け取ったお菓子の小袋に原材料表示がない場合でも、「せっかくの好意を無にするような気がしてピーナツが入っているかどうか聞くことははばかられるし、入っていたとしてもいらないとは言いづらい」と細田さんは言う。仕事関係者や友人たちとの会食の場合、ピーナツが使われていることが多い中華やインド、アジア料理だと食べられるメニューが極端に少なくて困ることもある。
細田さんのように、乳幼児期に発症し皮膚、粘膜、消化器、呼吸器などに、食べた直後から1時間以内、遅くても4時間以内に現れる食物アレルギー症状を「即時型症状」と呼ぶ。乳児期から幼児期に、卵、牛乳、小麦などで発症した場合は大人になるにつれて寛解する(症状が出なくなる)ことが多いが、ピーナツのほか甲殻類、魚類、ソバ、果物類などは寛解しにくいとされる。
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