
イラスト:浜畠かのう
東京都在住の酒井亮平さん(仮名)は、夜になると決まって足首から太ももまでの強いかゆみに襲われる。20代の頃、関西へ転勤した直後に発症。病院で血液検査をしたが、食物などによるアレルギー症状ではないと診断された。診断結果は、原因がわからないじんましん。それ以来8年間、毎晩薬を飲むことで発症を抑えている。
酒井さんのように原因が明らかでないじんましんは、「特発性のじんましん」に分類される。じんましんを発症すると、多くの人が「どの食物が原因だろうか」と、アレルギー性のじんましんを疑うかもしれない。だが実際は、じんましん患者の約7割が特発性で、アレルギー性のじんましん患者は少ない。

(出所)広島大学医学部皮膚科の秀道広医師への取材を基に本誌作成
特発性の中でも、発症後1カ月以内のものを急性じんましん、1カ月以上続くものを慢性じんましんと呼ぶ。多くの患者は1カ月以内で自然と症状が治まるが、1カ月を超え、慢性になると治りづらくなる。
酒井さんも治療が長期にわたり、薬を飲み続けることによる副作用が出ることを心配している。何とか原因を突き止め早く治したいと、ストレス環境や睡眠、食生活の改善に取り組むが効果がない。
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