全国に広がる鳥獣被害、高齢化が駆除の足かせ 過疎の山里を襲うイノシシ、鹿、ハクビシン
イノシシや鹿の鳥獣害が、各地の農業を破壊し、過疎化を加速している。
「ぎーっ」。千葉県鋸南(きょなん)町の横山地区。1月9日に町が主催した「けもの道トレッキング」に首都圏から参加した26人が、緊張の面持ちとなった。
山道を登って10分ほど。長さ3メートルの鉄製わなの中からイノシシの金切り声が聞こえてきた。軽自動車のバッテリーを利用した手作りの電気ショック棒を体に当てるとイノシシは床に倒れた。地元のわな組合の金木郁男さん(73)が、長い棒の先にくくりつけた刺身包丁を頸動脈に刺すと、鮮血がどくどくと流れ始めた。
上智大学から参加した3~4年の女子学生4人は「大学のゼミで鳥獣害を学んでいる。重いテーマだが、地域にとって、駆除は大切な仕事であることもわかった」と話す。
甚大なイノシシの被害
鋸南町は2年前からこのトレッキングツアーを企画している。発案者で町長の白石治和さん(70)は、「単なる観光ツアーではない。若い人たちに、地元の人たちと一緒に山を歩いて知恵を絞ってもらうのが目標。移住にも結び付ける」と話す。
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