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1月の時事通信の世論調査では内閣支持率が再び50%を超えた。個別の政策に関しては安倍晋三政権への反対は大きいが、全体としては安倍政治に対する国民の信頼は大きいといわざるをえない。この政権の安定と支持がどこから来るのか、考えあぐねている。
この政権が大きな権力を振るうのは、議院内閣制の帰結である。立憲政体において立法、行政、司法の三権による相互の抑制、均衡が重要だというのは常識である。しかし、日本ではこの原理について誤解されているように思える。米国の大統領制は三権分立の典型であるが、日本の議院内閣制では権力分立は徹底しない。日本では、国会の多数派が内閣を構成し、行政権力を掌握する。
19世紀英国のジャーナリスト、ウォルター・バジョットが言ったとおり、議院内閣制の本質は権力の融合にある。さらに日本では内閣が最高裁判所の長官、判事を指名、任命する。ゆえに司法にも大きな影響を及ぼすことができる。特定の政党内閣が長期持続すれば、政府与党に巨大な権力が集中することになる。
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