米国におけるドナルド・トランプ次期大統領の誕生は、米国国民の経済格差への不満を浮き彫りにした。中間層の消滅に警鐘を鳴らし続けてきた経済学者、ロバート・B・ライシュ氏は現状をどう見ているのか。
政府か自由主義かを選ぶ議論はもう意味がない
──近著『最後の資本主義』で伝えたかったことは?
富と政治の関係や経済格差が拡大していることについて、もう触れるつもりはなかった。われわれはすでに、政治に大量のおカネが流れ込んでいることを知っているし、共和党のドナルド・トランプ氏と(貧困対策などを主張した)民主党のバーニー・サンダース氏の議論が茶番だということも知っている。
考えるべきは大きい政府か小さい政府かというサイズの問題ではない。政府はいったい誰のためにあるのかということであり、市場形成に与える影響力を圧倒的多数の人々の手中に取り戻すべきだ、ということを著書の中で訴えたかった。
──「資本主義は信頼のうえに成り立っており、そのゲームが茶番だと信じている人は早口でいい加減な考えの政治家にとっていいカモになる」と辛辣な表現もあります。
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