最後まで難航した国務長官人事がようやく固まり、トランプ次期政権の新閣僚の顔ぶれが出そろった。
新しい財務長官にはゴールドマン・サックス出身のスティーブン・ムニューチン氏が、国家経済会議(NEC)委員長には、同じゴールドマンのゲイリー・コーンCOO(最高執行責任者)が選ばれる見通しだ。
一方、外交・安全保障分野では、国家安全保障担当の大統領補佐官に前国防情報局長のマイケル・フリン氏、国防長官に元中央軍司令官のジェームズ・マティス氏が選ばれた。
2016年12月13日には、国務長官に石油メジャー、エクソンモービルのレックス・ティラーソンCEO(最高経営責任者)を起用するとトランプ氏が発表した。政治・外交経験のないビジネスマンが世界最大最強の国の外交を預かる。
地方の白人男性労働者らの熱狂的な支持を得て当選したトランプ氏だが、閣僚候補の顔ぶれを見るかぎり、むしろ富裕層を重視しそうだ。トランプ氏自身が営むビジネスとの利益相反の疑いも浮上する。インフラ投資や大規模減税で当座の景気は上向くかもしれないが、長い目で見ると、トランプ氏支持の有権者らが求めた雇用の回復につながらない可能性がある。
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