日銀の「資産購入等の基金」は、J-REITの資本調達を活性化させるか?《ムーディーズの業界分析》


 海外に目を移せば、米国REITでは09年から10年にかけて、およそ400億ドルの資本調達が行われており、発行体の保守的な資本構造の維持に貢献している。実際、ムーディーズの格付けを付与している米国REITでは、07年から10年においてレバレッジはおおむね安定的に推移している。対照的に、ムーディーズの格付けを付与しているJ-REITにおいては、07年から09年にかけて調整後有利子負債/EBITDAで見たレバレッジが、平均で7倍から9倍に上昇した後に横ばい傾向にある。J-REITにおいては、投資口価格が低迷する状況でダイリューション(希薄化)に対する抵抗が強いことに加えて、銀行取引が安定していることで、市場流動性を手厚くすることや負債削減の必要に迫られる度合いが緩和されたことが影響しているのだろう。


ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 角田陽一郎のMovingStudies
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT