強豪の勝利から奇跡の大逆転まで。選手の活躍の裏にはそれを促す監督の一言があった。
一生懸命やるのなんて格好が悪い──。最近の高校生には、そんな風潮がある。試合が明らかに劣勢の展開で全力プレーをすると、「おまえ、何熱くなってんの?」と言うような選手が同じチーム内にいるのだ。自分で勝手に結果を予測し、初めからあきらめてしまっているからそんな言葉が出る。
だが、日大三にはそんな選手はいない。小倉全由(まさよし)監督が、最後まで頑張り抜くことの大切さを身をもって経験させるからだ。
それを教えるのは、毎年、年末に2週間かけて行う冬合宿。朝5時半のランニングから夕食後のバットスイングまで練習が続き、選手たちが「ベッドに入ったと思ったら朝。朝が来るのが怖い」と口をそろえる伝統行事だ。
その中で、小倉監督が重視しているのが、毎朝の12分間走。選手たちに交じって監督も走る。
「12分間一緒に走っていると、その子が頑張っているか、頑張っていないかが見えるんですよね。あとは、『今日はここまでだった。じゃあ、明日は俺よりこれだけ前に行かなきゃ許さねーぞ』とノルマを与える。ノルマを与えて、そこで頑張って結果が出たという経験を味わわせるんです」
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