高校野球の世界で全体の舵取り役を担っているのが、春の選抜と夏の選手権大会を主催する日本高等学校野球連盟(日本高野連)だ。よく注目を集めるのは、野球部内での暴力や喫煙など不祥事が起こったとき。対外試合禁止や謹慎など処分の方向性を決め、上部団体である日本学生野球協会に上申する(処分を決めるのは協会)。甲子園への道が断たれる可能性もあり、野球部の関係者から恐れられている。ただその実態はあまり知られていない。
日本高野連は高校スポーツ界の中では異色の組織だ。全国高等学校総合体育大会(インターハイ)を主催する全国高等学校体育連盟(高体連)に加盟していない。夏の大会とインターハイは同じ時期に開催されているが、何の関連もない大会なのである。
理由は戦前にさかのぼる。1932年、文部省は学生野球人気の高まりとともに進んでいた興行化や商業化を問題視し、「野球統制令」を出した。その結果、事あるごとに文部省の監督・指導を受けなければならなくなったため、学生野球の関係者は反発。同省との話し合いの末、46年に学生野球を統括する日本学生野球協会を発足させた。併せて誕生したのが日本高野連(当時は全国中等学校野球連盟)だ。47年に統制令が廃止になり、文部省からの「独立」を果たした。高体連は48年発足なので、日本高野連のほうが古い。
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