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欧米で大規模リストラ 野村、背水の出直し 6期赤字の海外に大ナタ 国内失速で前途多難

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英ロンドンにある野村の欧州拠点。今回のリストラの大半は欧州を舞台にしたものだ。(Getty Images)

「今期こそ海外事業を黒字にする」。4月27日、野村ホールディングスの尾﨑哲グループCOO(最高執行責任者)は、戦略説明会後の記者会見で宣言した。

この日からさかのぼること約2週間。同社は欧米におけるホールセール(法人向け)ビジネスの戦略を見直すと発表した。欧州では、株式の引き受け業務と企業調査、株式関連商品取引という、3業務から撤退。証券化商品など市場取引業務の一部も縮小する。米州では、株式の引き受けなど、4業務で合理化に踏み切る(表1)。

[表1]
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2008年9月、経営破綻した米リーマン・ブラザーズから欧州・アジア部門を買収し、陣容を拡大した野村の海外事業。だが同時に、報酬が野村のプロパー社員の倍近いとされる、高コストの外国人社員を多数抱え込んだ。

10年に欧州を襲った債務危機などで、海外事業の税引き前損益は6期連続で赤字が続いている。11年と12年にそれぞれ12億㌦、10億㌦のコストを削減するリストラ策を打ち出したが、黒字化することはなかった(図1)。

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